勇気を出して登録したのに、「現在ご紹介できる求人がありません」。面談の案内が来ない。「未経験だと正社員は厳しい」と言われた。

フリーターから正社員を目指す人が、最初につまずきやすいところです。でも、ここで止まる必要はありません。なぜ断られたのかが分かれば、次にどこへ相談すればいいかが決まります。

「紹介できる求人がない」はどういう意味?

転職エージェントが紹介できるのは、そのエージェントが契約している企業の求人だけです。どんなに話を聞いてくれても、手元にない求人は紹介できません(無料で使えるしくみは転職エージェントはやめとけ?で説明しています)。

申込みは受け付けられたあと、エージェントが持っている求人と経歴や希望を照らし合わせる。合う求人があれば面談や紹介に進み、なければ紹介できる求人がないという返事になる
「受け付けてもらえること」と「合う求人があること」は別です。

大手エージェントの公式の案内にも、案内できる求人がない場合は面談を設定できないことがある、条件に合う求人を持っていなければ紹介できないと判断することがあると書かれています。

法律でも、職業紹介をする会社は求職の申込みを受け付けたうえで、その人の能力に合う仕事を紹介するよう努める、と決められています。受け付けてもらえることと、合う求人があることは別なんですよね。

つまり「紹介できる求人がない」は、あなたの価値を決める言葉ではありません。そのお店の棚に、今あなたに合う商品がなかったくらいの意味です。

断られやすいのは、相談先のタイプが合っていないから

転職の相談先には、大きく分けて3つのタイプがあります。フリーターが断られやすいのは、経験者の転職を多く扱うタイプに申し込んでいる場合です。

総合型の転職エージェントは、求人の数は多いものの、経験者の転職を多く扱います。大手の公式FAQでも「転職市場では一般的に即戦力が求められる」としています。ただ同じFAQには、20代の若いうちはポテンシャル採用が一般的で、経験不足だけを理由に断られるのはまれ、ともあります。つまり、希望の職種や条件と、そのエージェントが持つ求人の組み合わせ次第です。

20代や未経験向けの就職支援は、公式サイトで「20代」「正社員経験が浅い人」「フリーター・既卒」などと対象をはっきり書いています。はじめから、正社員経験が浅い人を相手にしているサービスです。1対1の担当者と求人を比べながら進めるものもあれば、書類や面接の講座を受けたあと、書類選考なしで企業との面接に進めるものもあります。書類で落ち続けて自信をなくしているなら、後者の形も選択肢になります。

わかものハローワークは、正社員を目指すおおむね35歳未満の人を対象にした公的な窓口です。担当者制の相談、応募書類の作成支援、模擬面接などを無料で受けられます。

総合型で断られたら、この2つに切り替える。それだけで、話の前提がそろいます。

「事務は未経験だと厳しい」と言われたら

「事務職を希望したら、未経験だと正社員は厳しいと言われて、派遣を勧められた」。Yahoo!知恵袋にも、22歳のフリーターからこうした相談が寄せられています。冷たく聞こえますが、事務職の求人の状況を見ると、そう言われやすい理由は見えてきます。

ハローワークの常用(パートを除く)の有効求人倍率。2026年3月は、職業全体が1.17倍、一般事務が0.32倍。一般事務は仕事を探す人が多く、求人1件に約3人が集まる計算
一般事務は、仕事を探している人に対して求人が少ない職種です(ハローワークの統計)。

ハローワークの統計では、2026年3月の一般事務の有効求人倍率は0.32倍でした。仕事を探す人約3人に対して、求人が1件という計算です。職業全体の1.17倍と比べると、人気が集まって競争になりやすい職種だと分かります。これはハローワークの数字で、民間のエージェントが持つ求人とは別ですが、事務職全体の傾向を見る手がかりにはなります。

だから「厳しい」は、事務を諦めろという意味ではなく、このままの条件だと紹介できる求人が少ないという返事です。言われたら、次の3つを聞いてみてください。

  • 理由を聞く「どんな条件なら、正社員の求人を紹介できますか?」
  • 近い仕事を聞く「事務の仕事に近くて、未経験から正社員になれる求人はありますか?」
  • ほかの窓口にも聞く同じ質問を、若手向けの支援やわかものハローワークでもしてみる

派遣は選択肢の一つですが、勧められたら必ず従う必要はありません。正社員を目指したいなら、その希望ははっきり伝えていいんです。

次の相談先を選ぶときに見る3つ

次の相談先は、名前の有名さより「自分が対象に入っているか」で選びます。申し込む前に、公式サイトで次の3つを見てください。

  • 対象公式サイトに「20代」「正社員経験が浅い人」「フリーター・既卒」などと対象が書かれているか
  • 相談の形来所かオンラインか。住んでいる地域で使えるか
  • 紹介できる求人未経験から正社員になれる求人を扱っているか。最初の連絡で聞いていい

一つに絞らなくて大丈夫です。大手エージェントの公式の案内でも、断られたときは複数に申し込むことをすすめています。公的窓口と民間の支援を1つずつ、のように並べて使うと、比べながら進められます。

断られた経験は、次の相談で話していい

「前に別のところで断られた」と話すのは、恥ずかしいことではありません。むしろ、次の担当者にとっては大事な情報です。

例

「以前、別の転職エージェントで事務職を希望したところ、紹介できる求人がないと言われました。未経験から正社員として働ける仕事を、事務に限らず知りたいです」

このとき、どこで、どんな希望を伝えて、何と言われたかをメモしておくと、次の担当者は同じ行き違いを避けられます。あとは、今の経験・変えたいこと・避けたいこと・動ける時期の4点があれば十分です。書き方は転職エージェントへ相談する前の準備にまとめています。

一度断られたからといって、正社員の道が閉じたわけではありません。断られた理由がメモになっている分、次の相談は1回目よりずっと具体的になります。

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25歳前後で年齢のことも気になっているなら、25歳フリーターは手遅れ?も読んでみてください。

よくある質問

登録したのに連絡が来ないのは、断られたということですか?

そうとは限りません。案内できる求人がない場合は面談を設定できないことがある、と公式に案内している転職エージェントもあります。気になるときは、面談の予定があるかを問い合わせて構いません。待ち続けるより、並行して別の相談先に申し込むのがおすすめです。

転職エージェントに複数登録してもいいですか?

はい。大手の転職エージェントの公式案内でも、断られた場合は複数に申し込むことをすすめています。紹介元・応募日・選考の状況をメモしておけば、同じ求人への重複応募を防げます。

派遣を勧められたら、断ってもいいですか?

断って構いません。まずは「なぜ派遣を勧めるのか」「正社員で目指す道はあるか」を聞いてみましょう。派遣は選択肢の一つですが、正社員を目指したいならその希望をはっきり伝え、別の相談先にも聞いてみるのがおすすめです。

ハローワークでも断られることはありますか?

職業安定法では、公共職業安定所(ハローワーク)も転職エージェントも、求職の申込みはすべて受け付けることになっています(内容が法令に違反する場合を除く)。ただし、希望に合う求人がすぐあるとは限りません。わかものハローワークでは、担当者と相談しながら求人を探せます。

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初版:2026年9月26日